可視、近赤外、中赤外用
波長変換モジュール
NTTイノベーティブデバイス製PPLN導波路を用いた波長変換モジュールです。
PPLNリッジ導波路を用いた二次非線形効果(第二高調波発生、和周波発生、差周波発生)によって可視、近赤外、中赤外域で高い波長変換効率を実現します。
モジュールにはサーミスタとペルチェ素子が実装されており、外部TECコントローラによって温度コントロールが可能です。
カスタムPPLN導波路の作製を承ります。励起光波長とターゲットの SHG/SFG/DFG 波長(小数点以下2桁)をご相談ください。
特徴
- Znドープニオブ酸リチウム
- 導波路構造による強い光閉じ込め
- キャビティ構造のない波長変換
疑似位相整合
二次非線形効果には第二高調波発生(SHG), 和周波発生(SFG), 差周波発生(DFG)があります。これらの効果は強誘電体結晶に入力される光電場によって引き起こされる電気双極子の二次応答によって発生します。量子光学の言葉を用いると、2個の入力フォトンによって、新しいフォトンが生みだされる過程ということができます。これら3つの二次非線形効果を絵であらわすと以下のようになります。
SHG (for example 532 nm)
SFG (for example 578 nm)
DFG (for example 3 μm)
疑似位相整合は強誘電体結晶(ニオブ酸リチウム)の分極方向を光の進行方向に対して、コヒーレント長の半分の周期で周期反転することによって達成されます。
疑似位相整合に関しては下記の文献を参照ください。
- A. Yariv and P. Yeh, Photonics: Optical Electronics in Modern Communications (Oxford University Press, 2007)
- M. Asobe et al., IEICE Trans. Electron. E88-C, 335 (2005)
リッジ導波路
波長変換効率はパワーの2乗、相互作用長の2乗に比例します。バルク結晶においてはビーム広がりによって相互作用長を長くとることができません。一方、PPLN導波路は導波路の光閉じ込め効果によって3つの光の相互作用長を長くすることができます。このことによって、PPLN導波路においてはバルク結晶よりも2桁高い波長変換効率を実現しています。
標準的な可視PPLN導波路モジュールの変換効率は 100%/W 以上です。
変換光強度は規格化波長変換効率ηを使って以下のようにあらわされます。
Pk = η Pl Pm
ここで、 Pk は変換光強度 (k = 2ω at SHG, ωp at SFG, ωi at DFG)、Pl と Pm は励起光強度 (l = m = ω at SHG, l = ωs and m = ωi at SFG, l = ωp and m = ωs at DFG)、Lは導波路長さををあらわします。NTTイノベーティブデバイス製PPLN導波路は波長、励起光強度にあわせて、10mm、22mm、34mm、48mmの種類があります。
寸法
ピン配置
No. | Description | No. | Description |
---|---|---|---|
2 | Termistor | 6 | Termistor |
4 | Cooler (+) | 8 | Cooler (-) |
仕様
(1)SFG (578 nm)
Item | Spec |
---|---|
Model | WS-0578-000-A-B-C |
Required pump wavelengths | 1030 nm 1319 nm |
SFG wavelength | 578 nm |
Efficiency | > 100 %/W When pump power is below 100 mW |
Operation temperature(Top) | Typ.: >30 degree C Temperature fine tuning is required for satisfying the phase match condition |
Thermister | B=3450 |
TEC Current | 2 A max |
Module size | 54 mm x 30 mm x 11.2 mm |
Window | IR-cut filter or Visible-AR window |
Input fiber※ | 980 nm PANDA fiber with FC / APC connector |
※WDM fiber coupler is not included.
780nm用 SHG波長変換モジュール
PPLNリッジ導波路を実装した780nmSHG用波長変換モジュールです。PPLN導波路と入力、出力ファイバの光結合はレンズを用いて行われています。光路中に接着剤は一切ありません。モジュールの電極端子にはサーミスタとペルチェ素子接続されています。1560nmの励起光を入力ファイバコネクタに接続し、外部TECコントローラ-を使って位相整合温度にチューニングすることによって、780nmSHG光を出力することができます。この波長の位相整合帯域幅は励起光波長で0.36nmです。また、位相整合温度の温度係数は 0.1 nm/deg Cです。
特長
- SHG 波長:780 nm 帯
- 変換効率: > 100% / W
応用
- 位相感応増幅器の励起光源
- Rb レーザ原子冷却
寸法
ピン配置
No. | Description | No. | Description |
---|---|---|---|
2 | Termistor | 6 | Termistor |
4 | Cooler (+) | 8 | Cooler (-) |
仕様
Item | Spec | Spec |
---|---|---|
Model | WH-0780-000-A-B-C (space out) | WH-0780-000-F-B-C (fiber out) |
Required pump wavelengths |
1560 nm | 1560 nm |
SHG wavelength | 780 nm | 780 nm |
Efficiency | > 100 %/W When pump power is below 100 mW |
> 50 %/W When pump power is below 100 mW |
Operation temperature(Top) |
Typ.: > 30 degree C Temperature fine tuning is required. |
Typ.: > 30 degree C Temperature fine tuning is required. |
Thermister | B = 3450 | B = 3450 |
TEC Current | 2 A max | 2 A max |
Module size | 54 mm x 30 mm x 11.2 mm | 54 mm x 30 mm x 11.2 mm |
Window | IR-cut filter | none |
Input fiber | 1550 nm PANDA fiber with FC / APC connector | 1550 nm PANDA fiber with FC / APC connector |
Output | Space out | 850 nm PANDA fiber with FC / APC connector |